もくじ
保険の詰め物・被せ物
保険で使用される「歯科金属」について
保険適用の診療で使用される歯科金属は、通常「金銀パラジウム合金」と呼ばれる合金(いわゆる銀歯)が使用されています。金銀パラジウム合金は、金とは違い、安価で、健康保険が使えるというメリットがあります。しかし近年、この銀歯に関して、審美性の問題や、金属アレルギーの問題などから、自由診療でもセラミックの歯に取り替えたいといったご要望が増加傾向にあります。ここでは歯科金属についてご説明いたします。
金銀パラジウム合金
実際、パラジウムは「リンパ球幼若化テスト」という金属アレルギー検査では約半数の人に陽性反応が出ます。ドイツでは、保健省が歯科業界に対して「幼児及び妊婦に、銅を含有するパラジウム合金と水銀・銀アマルガム合金を使用しない」という勧告を行ないました。そして、パラジウムが体に与える悪影響を考慮してパラジウムフリー(パラジウムを含まない)金属を使うことを強く推奨しています。
歯科用水銀アマルガム
差し歯の土台にも金属が使用されている?
セラミックの歯にも金属が使われていることがある?
保険で使用されるレジン(プラスチック)について
健康保険適用の治療では、歯科金属の他にプラスチック(レジン)も使用されます。被せ物の場合、審美的に特に前歯の場合には、金属の被せ物にしたくない方がほとんどですので、金属の被せ物に、見えるところだけプラスチックを貼り付けた「硬質レジン前装冠(こうしつれじんぜんそうかん)」が使用されます。保険適用となるため、費用面で安価に済むメリットがあります。しかし、プラスチックは吸水性があり、経年で劣化しやすく、黄ばんでくる特徴があります。特に前歯の場合、その経年による劣化・黄ばみでお悩みの方が少なくありません。このようなケースで、自由診療にはなりますが、経年で変化せず、自然な白さの美しさを再現可能な「セラミック」の歯を希望される方が増加傾向にあります。
硬質レジン前装冠
「硬質レジン前装冠」は、金属の被せ物に、表面にプラスチックを貼り付けたものです。プラスチックはその特性として「吸水性」があり、歯垢や歯石が付着しやすいことや、経年で劣化したり、黄色や茶褐色にく変色したり、割れや、歯肉の退縮などにより内側の金属が見えるようになってしまったり、金属がイオン化・溶出し、歯茎に黒いシミが沈着する場合もあります。 審美性の気になる方はセラミックへの交換をお勧めします。
レジン充填(じゅうてん)
レジン充填(じゅうてん)とは、むし歯を削った後にレジンという歯科用プラスチックのペーストを詰め、その後硬化させる治療法です。健康保険が適用になることから、レジン治療は多く行われています。しかしデメリットとしては、時間が経つと変色して、見た目が悪くなることがある点。プラスチックという事もあり、強度が弱く、噛み合わせの力などが原因で、欠けたり割れたりすることがある点があげられます。